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田村 和久
Journal of Physical Chemistry C, 127(46), p.22733 - 22739, 2023/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)Au(111)上のBiのUPD反応に関して、1M HClO中と[BMIM]BF中での反応を比較した。可視光反射率測定および表面X線散乱測定を行った結果、Biの反応電子数はどちらの電解液中でも同じ値であったが、一方で反応過程は大きくことなることが分かった。この違いは、Biの溶媒和の違いに起因すると思われる。
平出 哲也; 満汐 孝治*; 小林 慶規*; 大島 永康*
Chemical Physics Letters, 795, p.139507_1 - 139507_4, 2022/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)N,N,N-Trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI)中において三重項ポジトロニウム(オルトーPs)消滅寿命の温度依存性を、産業技術総合研究所に整備されている垂直型陽電子ビームを用いて150Cまで測定した。TMPA-TFSI液体試料表面から表面近傍とバルク中での測定を行うために、2keVと12keVのエネルギーで陽電子を入射した。融点よりも130C高い150Cにおいても表面の構造による違いが見られた。また、どちらの入射エネルギーでも高温ほど寿命は短くなった。同様の現象は水中においてのみ、オルトーPsと放射線分解生成物であるOHラジカルなどとの反応によって見出されていた。TMPA-TFSIにおける温度依存性においても、オルトーPsの化学反応の存在を示していると考えられた。
上田 祐生; 江口 綾乃; 徳永 紘平; 菊池 圭*; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親
Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(19), p.6640 - 6649, 2022/05
被引用回数:1 パーセンタイル:12.67(Engineering, Chemical)近年の世界的なカーボンニュートラルの潮流から廃電子機器などの二次資源からの白金族金属の効果的な分離・精製の向上が求められている。本研究では、Pt(IV)とPd(II)をpH変化のみで分離可能なウレア基を導入したイミダゾリウム型イオン液体(L1)を合成し、その抽出挙動を評価した。従来の有機溶媒-水抽出系におけるウレア型抽出剤では、Pt(IV)とPd(II)を同じpH領域で抽出してしまい、相互分離ができなかった。それに対し、本研究で合成したL1は、低pH領域ではPt(IV)選択性を、高pH領域ではPd(II)選択性を示した。UV-visおよびEXAFSスペクトルによる解析から、L1によるPt(IV)抽出では、外圏錯体を形成し、Pd(II)抽出では内圏錯体を形成していることが示された。さらに、従来の有機抽出系では第三相を生成するような高濃度のPt(IV)抽出後も、L1は第三相を生成することなくPt(IV)を抽出可能であった。
伊藤 辰也; 大杉 遥*; 大沢 直樹*; 高橋 正幸*; Kim, S.-Y.*; 永石 隆二
Analytical Sciences, 38(1), p.91 - 97, 2022/01
被引用回数:2 パーセンタイル:15.48(Chemistry, Analytical)高レベル放射性廃液(HLLW)などの硝酸水溶液から白金族元素(Ru, Rh, Pd)を効果的かつ効率的に抽出するために、ソフトなSドナーを含有するチオジグリコールアミド酸を修飾した新規イオン液体(IL)を合成した。このILは約100%の抽出率で迅速なPd(II)の抽出を可能にした。Ru(III)及びRh(III)の抽出は、Pd(II)より遅いものの、温度上昇によって抽出速度が加速した。50CにおけるRu(III)とRh(III)の抽出はそれぞれ4hと8h以内に平衡に達し、抽出系に補助剤やその他の方法を使用しなくても抽出率は90%を超えた。さらに、このILは50Cにおいて2h以内に模擬HLLWから90%以上のRu(III)、Rh(III)及びPd(II)を抽出可能だった。
大内 和希; 小松 篤史; 鷹尾 康一朗*; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
Chemistry Letters, 50(6), p.1169 - 1172, 2021/06
被引用回数:1 パーセンタイル:6.77(Chemistry, Multidisciplinary)ウランを電極活物質として用いるレドックスフロー電池を構築するためにイオン液体-DMF混合溶媒中での塩化ウラン(IV)の電気化学挙動を調べた。結果としてレドックスフロー電池のアノード反応として利用可能である準可逆なU/U対を見出した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Hydrometallurgy, 199, p.105539_1 - 105539_8, 2021/02
被引用回数:4 パーセンタイル:33.99(Metallurgy & Metallurgical Engineering)D2EHPA(A)とMIDPA(B)を用いる希土類元素のイオン液体中へ協同抽出が検討された。D2EHPAまたはMIDPAを単独で抽出に用いる際には、その抽出種は[LnAHA]か[LnBHB]であった。錯形成定数から、協同抽出錯体である[TbHAB]や[DyHAB]は単独抽出剤による[LnAHA],[LnBHB]等の錯体種より安定であることが確認された。分離係数を考慮すると、協同効果を用いてDyをPrやNdからの分離が可能であることを確認した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(7), p.764 - 784, 2021/00
被引用回数:3 パーセンタイル:22.95(Chemistry, Multidisciplinary)ジケトンの一種である、Htta(テノイルトリフルオロアセトン)又はHbfa(ベンゾイルトリフルオロアセトン)とTOPOを用いてNd-Fe-Bマグネットから4つの希土類元素のイオン液体への抽出を試みた。期待される共同抽出が起こり、7回の連続抽出によって、TbとDyをその他の希土類元素から分離することができた。
平出 哲也
Proceedings of 8th Asia Pacific Symposium on Radiation Chemistry (APSRC 2020) (Internet), 2 Pages, 2020/04
絶縁材料中に入射された陽電子は、そのトラック末端で自らイオン化を起こし、過剰電子とラジカルが形成する。この過剰電子と入射陽電子がポジトロニウムを形成すると、ポジトロニウム中の電子とラジカル中の不対電子がスピン相関を持つことになる。このスピン相関を利用することで、ラジカルの超微細結合定数に依存した量子ビート現象がポジトロニウムとのスピン交換反応に現れ、また、スピン相関のあるラジカルとその他のラジカルをポジトロニウムをプローブとする反応で見分けることができる。水中ではOHラジカルの挙動を、室温イオン液体中ではカチオンラジカルの状態などについて研究を行うことができる。
平出 哲也; 満汐 孝治*; 小林 慶規*; 大島 永康*
Acta Physica Polonica A, 137(2), p.109 - 112, 2020/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)最近、室温イオン液体中におけるポジトロニウム(Ps)バブルは通常の分子性液体中とは非常に異なる状態であることが報告されている。これらの現象は徐々に理解されつつあり、陽イオンと負イオンによる相互作用により形成されている構造が、融点よりも高い温度でも存在していることが示されている。この構造が融点近くで起こるPsバブルの振動の原因であることがわかってきた。三重項Ps(オルトーPs)のピックオフ消滅寿命から見積もられたPsバブルの大きさの温度依存性は、高い温度でもこのイオン間の相互作用による構造が残っていることを示している。オルト-Psのピックオフ消滅寿命は室温イオン液体中に存在するナノサイズの構造の研究における重要な手法となりえる。
平出 哲也
AIP Conference Proceedings 2182, p.030007_1 - 030007_5, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:84.78(Nuclear Science & Technology)室温イオン液体の利用は多くの分野で行われている。そのひとつは使用済み核燃料の再処理であり、室温イオン液体の放射線の影響に関する研究は重要である。過剰電子の反応のように速い過程を研究するためには、陽電子消滅法は重要な手法である。非常に早い時刻における反応を理解するために、陽電子消滅寿命-運動量相関(AMOC)測定を行い、ポジトロニウムが作るバブルの形成が室温イオン液体の中では非常に遅いことが分かってきた。また、室温イオン液体の融点付近において、ポジトロニウム形成直後にポジトロニウムが作るバブルに振動が見られることが明らかとなった。このことから、例えば、室温イオン液体中のポジトロニウム形成はピコ秒程度の速い反応であることが言える。このように従来の液相とは違うポジトロニウムが示すいろいろな現象について議論を行う。
阿久津 和宏*; Cagnes, M.*; 田村 和久; 金谷 利治*; Darwish, T. A.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 21(32), p.17512 - 17516, 2019/08
被引用回数:11 パーセンタイル:53.26(Chemistry, Physical)本研究で、イオン液体中で形成される電気二重層の構造を決定するための、重水素化技術と中性子反射測定を組み合わせた手法を確立した。そのために、本研究において、選択的に簡素かつ大量に重水素化する方法を開発した。
平出 哲也
陽電子科学, (11), p.33 - 40, 2018/09
絶縁材料中に入射した陽電子は、そのトラックの末端で熱化し、過剰電子の一つと1ps程度の時間にポジトロニウム(Ps)を形成する。したがって、Ps形成は液体中の過剰電子の溶媒和過程のような速いプロセスを調べるためのプローブとなり得る。放射線化学では室温イオン液体(IL)を照射することで興味深い現象がみられ、またその現象はILの応用において重要なものであった。そこでILの陽電子消滅寿命(PAL)測定を行ったところ、IL中で最短寿命成分の異常に長い寿命値が見出された。これらの異常な寿命値の原因を明らかにするためにPALと陽電子消滅寿命-運動量相関(AMOC)測定を行い、最終的にPsバブルの振動を発見した。最近の研究について結果を紹介しながら解説する。
平出 哲也; O'Rourke, B. E.*; 小林 慶規*
Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012029_1 - 012029_4, 2017/02
被引用回数:2 パーセンタイル:62.67(Physics, Multidisciplinary)イオン液体である、N,N,N-trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI)について、産総研に整備された垂直型の低速陽電子ビームを用いて、液面近傍における陽電子消滅率の測定を試みた。イオン液体の蒸気圧は非常に小さく、真空容器内にそのままイオン液体を配置することで、液面表面近傍の陽電子消滅率の測定を行うことが可能である。本測定は、イオン液体表面近傍における最初の陽電子消滅率の測定となる。その結果、三重項ポジトロニウムの消滅率が表面に近いほど大きくなることが分かった。
平出 哲也
Journal of Physics; Conference Series, 618(1), p.012004_1 - 012004_5, 2015/06
被引用回数:5 パーセンタイル:84.22(Physics, Applied)ポジトロニウム(陽電子と電子の結合状態)は物質中で負の仕事関数を持つため、液体中ではサブナノサイズのバブルを形成する。バブルが形成される際に、その大きさが安定するまでに、バブルの大きさの変化や振動が起こると考えられる。陽電子消滅法は、対消滅線を検出することで行われる手法であるが、その時間分解能は100-200ピコ秒程度であり、通常短時間で起こる液体中のバブル形成過程は、計測された例がない。室温イオン液体中における陽電子消滅過程では不思議な現象が多く見られてきたが、最近、これらが、バブル形成に時間を要するためであることが明らかとなってきた。そこで、バブル形成時の振動などが計測できる可能性があり、実際に、バブルサイズに依存する、三重項ポジトロニウムの消滅率の振動として捕らえることに成功した。一方、この振動の周期や減衰は、サブナノスケールにおける動的粘弾性を示しており、室温イオン液体をはじめとする液体の新しい動的特性評価法となりえることを示しており、振動が温度依存することを示すことで、動的特性が反映されていることも確認した。
平出 哲也
no journal, ,
ポジトロニウム(Ps)は負の仕事関数をもち、液相中では周囲分子との反発によりナノメートルよりも小さなバブルを形成する。イオン液体で示される異常な陽電子寿命を理解するために、陽電子消滅時刻-消滅線エネルギーの相関(Age-momentum correlation: AMOC)測定が行われ、バブル形成が異常に遅いということが明らかとなってきた。オルソ-Psのピックオフ消滅は、バブルの壁からの電子との消滅であり、よってバブルの大きさに依存することとなる。よって、この消滅率の変化から、バブルの形成過程、例えばバブルの振動などが観測できると考えられる。減衰以外の成分を観測するために、指数減衰の重ねあわせで測定された寿命スペクトルを模擬し、実際の測定スペクトルから模擬スペクトルを差し引いた。その結果、オルソ-Psの消滅率が振動していることを観測することに成功した。
平出 哲也
no journal, ,
ポジトロニウムは絶縁物中で負の仕事関数をもつため、ポジトロニウムと周囲分子との間の反発によって、液体中ではバブルが形成される。バブルが安定するにはエネルギーを失う必要がある。通常の液体中では10ピコ秒程度で安定化するが、イオン液体中では異なる。TMPA-TFSI中では1ナノ秒程度必要である。オルソーポジトロニウムのピックオフ消滅率はそのバブルの大きさに依存し、よって、バブルサイズの変化がオルソーポジトロニウムのピックオフ消滅率の変化として寿命スペクトル上に現れることが予測され、実際に、安定化する前に、バブルが振動していることが見出された。一方、より遅い時間領域で見られるオルソーポジトロニウムのピックオフ消滅率は、イオン液体の表面張力から予測されるものよりも小さいことがわかってきた。陽電子消滅法は、イオン液体の構造の研究において非常に重要な手法になると考えられる。
平出 哲也; O'Rourke, B. E.*; 小林 慶規*
no journal, ,
産業技術総合研究所に整備された垂直型低速陽電子ビームを用いて、室温イオン液体,N,N,N-trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI)の表面近くの陽電子消滅寿命測定を行った。その結果、バルクに比べ液面付近では高いポジトロニウム(Ps)形成収率と短いオルソーPs(o-Ps)消滅寿命が観測された。これらは、おそらくTMPA-TFSIの表面近傍の層構造によって起こっているものであると考えられる。垂直型低速陽電子ビームはイオン液体の表面の研究において重要な手法の一つになると考えられる。
上田 祐生; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
no journal, ,
溶媒抽出法において使用される揮発性の有機溶媒の代替物として、イオン液体(IL)が注目されている。これまでに白金族金属(PGM)の分離を目的としたILを用いた抽出系は多数報告されているが、単一の抽出剤を使用した抽出系における、PdとPtの個別分離が可能な系は報告されていない。本研究では、PdおよびPtの個別分離を目的として、ウレア基を有する新規イミダゾリウム系ILを合成し、PdおよびPtに対する抽出能の評価を行った。その結果、従来のILでは達成されていなかったPdとPtの個別分離が達成された。さらに、抽出機構の解析から、PdとPtそれぞれの抽出機構の違いを明らかにした。
平出 哲也
no journal, ,
N,N,N-trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoro-methanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI),N-Methyl-N-propylpiperidinium bis(trifluoromethane-sulfonyl) imide (PP13-TFSI)、および1-Ethyl-3-methylimidazolium thiocyanate (EMIM-SCN)の3つの室温イオン液体中において、ポジトロニウムバブルの振動を三重項ポジトロニウムの消滅率の振動として捕らえることに成功した。この振動は通常の分子液体中ではみられない現象である。EMIM-SCN中におけるバブルの大きさは他のTMPA-TFSI, PP13-TFSIに比べ小さいが、融点より10C高い温度におけるバブルの振動周波数はどれも同様であった。これはPsバブルの振動が融点より上でも存在できるイオンによる構造を反映し、イオンによる構造からの反発力によって起こっている可能性を示していると考えられる。
上田 祐生; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
no journal, ,
資源の安定供給という観点から白金族金属(PGM)のリサイクルは活発に行われている。しかしながら、PGMの相互分離が可能な分離剤はほとんどなく、高選択的な分離剤の開発が求められている。イオン液体(IL)とは、常温で液体の塩であり、その優れた化学的性質から有機溶媒に替わる代替溶媒として利用可能である。本研究では、ILの荷電化学種が抽出可能であることと化学修飾により機能化できることに着目し、白金(Pt)とパラジウム(Pd)の相互分離を達成するための新規ウレア基導入ILを合成した。このILによるPt(IV)とPd(II)の抽出特性を検討したところ、従来の系では不可能であったPt(IV)とPd(II)の相互分離を達成した。さらに、抽出機構の分光学的解析から、導入したウレア基が2つの異なる機能を発現し、Pt(IV)とPd(II)をそれぞれ異なる抽出機構で抽出していることを明らかにした。